頭文字語を見ると、つい敬遠してしまいがちです。それも無理はありません!

しかし、それらの言葉が何を意味し、どこから来たのかを知ってしまうと、そのままの形で使うのはほとんど不自然になってしまう。

MTBF、MTTF、MTTRについても同様です。これらを細かく分解してみると、その意味がよく理解できます:

MTBF(平均故障間隔)

平均故障間隔(MTBF)とは、修理可能な故障が発生するまでの平均時間を指します。これは、機器や資産の信頼性と可用性を測る指標です。MTBFの値が高いほど、システムの信頼性は高くなります。

目標は、MTBFを可能な限り高くすること、つまり数百時間から数千時間とすることです。

平均故障間隔の図解

MTBFを算出するメリット

MTBFを算出することには、いくつかの利点があります:

MTBFの計算例

MTBFを計算する式は以下の通りです:

MTBF = 総稼働時間 ÷ 故障回数

ある生産ラインが、1週間に130時間稼働し、4回の停止が発生したと仮定します。最初の2回の停止はそれぞれ2時間、残りの2回はそれぞれ3時間続きました。

総労働時間:130時間

障害件数:4件

合計故障時間:2(2時間)+2(3時間)=10時間

(130 - 10) ÷ 4 = 30

MTBF = 30

つまり、運用開始後、平均故障間隔は30時間となります。さらに一歩踏み込んで故障率を計算すると、次のようになります:

故障率:1/MTBF

1 ÷ 30 = 0.033

MTTF(平均故障間隔)

平均故障間隔(MTTF)とは、修復不可能な状態に至るまでの平均時間を指します。これは、機器や資産が完全に故障するまでにどれだけの期間、確実に使用できるかを測定するものであり、運用担当者がいつ交換や定期的な診断を行うべきかを予測する指標となります。これは機器の寿命と同義です。

当然のことながら、MTTFが長ければ長いほど、その機器や資産の交換にかかる費用は少なくて済みます。

平均故障間隔の図解

MTTFを算出するメリット

MTBFと同様に、MTTFを算出することには次のような利点があります:

  • 機器/資産の信頼性を測定する

  • どのデバイスや資産が生産に最適かについての考察

MTTFの計算例

MTTFを計算する式は以下の通りです:

MTTF = 機器または資産の総寿命 ÷ 機器または資産の数

ある生産ラインに、同じ種類の装置が計3台あると仮定しましょう。1台目は稼働時間5,200時間で完全に故障し、2台目は4,200時間で、3台目は5,600時間で故障しました。

デバイスの総寿命:5,200 + 4,200 + 5,600 = 15,000

デバイス数:3

15,000 ÷ 3 = 500

平均故障間隔(MTTF)=500時間

つまり、この特定の機器の平均寿命は5,000時間であるということです。この指標を用いることで、企業は当該ブランドの機器や資産が自社の生産に適しているか、あるいはより長寿命で高性能なソリューションへの切り替えが必要かを判断することができます。

MTTR(平均修復時間)

MTTRには、Mean Time to Repair(平均修理時間)、Recovery(復旧)、Resolution(解決)、Resolve(解決)、Restore(復元)、またはRespond(対応)など、いくつかの異なる意味があります。しかし、これら6つのうち最も一般的に使われるのは、Repair(修理)とRecovery(復旧)です。

MTTRとは、「修理可能な」故障した機器や資産を修復するのに必要な平均時間を指します。これは、運用担当者が予期せぬ故障を検知し、その故障を修正し、機器や資産が再び稼働するまでの時間を基に算出されます。

平均修理所要時間の図解

MTTRを算出するメリット

MTTRを算出することには、いくつかの利点があります:

  • 障害発生時の対応能力を把握する

  • 頻繁に発生する修理事案を特定し、それに応じた対策を立てる

  • 過去のMTTRと比較し、ダウンタイムを短縮する

MTTRの計算例

MTTRを算出するための式は以下の通りです:

MTTR = 修理に要した総時間 ÷ 修理件数

ある生産ラインで、3台の装置が停止したと想像してください。1台目は4時間、2台目は2時間、3台目は3時間停止していました。

修理にかかった合計時間:4 + 2 + 3 = 9

デバイス数:3

9 ÷ 3 = 3

平均修復時間(MTTR)=3時間

つまり、これら3つの機器全体の平均修理時間は3時間となります。MTTRは、機器の種類、業界、生産ラインの規模によって大きく異なる場合があります。ただし、一般的な目安としては、平均5時間以内が妥当と言えます。

その他のインシデント指標:MTTD、MTTA、MDT

MTBF、MTTF、MTTRは主要な3つのインシデント指標ですが、運用現場では他にも以下のような指標を見かけることがあります。

MTTD(平均検出時間)

「検出までの平均時間(MTTD)」とは、障害が発生してからシステムがそのデバイスや資産の障害を検出するまでに要する平均時間を指します。

MTTD = 実際の故障発生から故障検出までの総時間 ÷ 故障件数

MTTA(応答までの平均時間)

平均応答時間は、デバイスや資産に障害が発生してから修理作業が開始されるまでの平均所要時間です。

MTTA = 障害の検知から対応完了までの総時間 ÷ 障害件数

MDT(平均ダウンタイム)

平均ダウンタイムとは、単にデバイスや資産が稼働停止状態にある総時間の平均値のことです。この指標には、計画的なダウンタイムと計画外のダウンタイムの両方が含まれます。

MTBF、MTTF、MTTR:用語の整理

これらはよく混同されがちです。いずれも時間と信頼性が関わっていますが、データを実際に見てみると、その意味は異なります。

メートル法

内容について

数式

どのような場面で使うか

MTBF – 平均故障間隔

修理可能な資産が、次に故障するまでの稼働期間。

総稼働時間 ÷ 障害発生回数

修理して再稼働させる機械向け。予防保全の計画立案に役立ちます。

MTTF – 平均故障間隔

部品が完全に使い物にならなくなるまでの期間。

総稼働時間 ÷ 台数

ベアリングやセンサーなど、修理ではなく交換する使い捨て部品の場合。

MTTR – 平均修復時間

障害発生後、システムを復旧させるまでに要する時間。

総ダウンタイム ÷ 修理回数

修理の効率性を確認し、どこで遅延が発生しているかを把握するため。

簡単なルール:MTBFとMTTRは修理可能なシステムに適用されます。MTTFは、一度故障すると復旧しない部品に適用されます。

これら3つを総合的に見れば、信頼性の問題の真の原因が、部品の耐久性の低さなのか、修理の遅れなのか、あるいは単に過酷な使用環境によるものなのか、より明確に把握できるでしょう。


よくある落とし穴と、その対処法

MTBF、MTTF、MTTRは、適切に追跡・活用すれば稼働時間に大きな違いをもたらします。しかし、そうしない場合、これらの数値はすぐに意味を失ってしまいます。目標が不明確、データが乱雑、報告書が社内だけで埋もれてしまう――こうした問題は繰り返し発生します。

こうした問題を回避し、数字を味方につける方法をご紹介します。

落とし穴:現実と乖離した目標を追い求めること
より良いアプローチ:実際のパフォーマンスに基づいて目標を設定すること
「MTBFを500時間にすべきだ」と言うのは、記録を確認して、これまでの最高値が200時間だと気づくまでは聞こえが良いものです。しかし、そのような目標は人々をただ苛立たせるだけです。まずは自社の実績や設備の状態を把握し、そこから目標を構築していきましょう。

落とし穴:データ記録の不統一
より良いアプローチ:ダウンタイムの追跡には単一の方法を採用する
あるシフトでは軽微な停止を記録しても、次のシフトでそれを無視してしまうと、その指標は意味をなさなくなります。何が障害に該当するか、そしてそれをどのように記録するかを明確に定義してください。記録は一箇所に集約しましょう。可能であれば、センサーやシステムログに記録を任せ、手動でのデータ入力は避けるようにしてください。

落とし穴:1週間ごとの数値だけを見る
より良いアプローチ:長期的な傾向を観察する
単一のMTTR値だけでは、あまり意味がありません。重要なのは、過去数ヶ月間の傾向です。移動平均を算出することで、修理が速くなっているか遅くなっているか、またプロセスのどの段階で問題が発生しているかがわかります。

落とし穴:データをレポートの中に閉じ込めてしまうこと
より良いアプローチ:現場で作業を行う人々の目の前に提示すること
PowerPointの中に眠っている数字だけでは、何も変わりません。信頼性データは行動のきっかけとなるべきです。MTBFが閾値を下回った場合、現場の担当者は直ちにそれを把握すべきです。修理時間が長引いている場合は、その週が終わる前に保守責任者がそれを把握できるようにすべきです。

これらの指標を単なる書類ではなく、現場で活用するツールとして用いることで、行動変容が促されます。オペレーター、技術者、エンジニアなど、全員が同じデータを確認し、それに基づいて行動を起こすことができるのです。そうして初めて、信頼性は真に向上し始めるのです。


現代の製造業の現状:インダストリー4.0時代におけるリアルタイムの信頼性

信頼性確保の取り組みは、ほんの数年前とは様相が異なっています。紙のログや経験則に基づく判断、週次進捗会議といった従来のアプローチでは、現代の生産ペースについていくことはできません。

今日、ほとんどの工場では、ネットワークに接続された機械が絶え間なくデータを送り出しています。センサーが振動、温度、圧力、その他数百もの信号をリアルタイムで計測しています。そのデータがメンテナンスシステムに直接取り込まれることで、推測に頼るのではなく、現場の状況を正確に把握できるようになります。MTBFやMTTRは、単なるグラフ上の平均値ではなく、リアルタイムの状況を反映したものとなるのです。

もちろん、データそのものでは何も解決しません。真の価値は、そのデータをどれだけ迅速に行動に移せるかにあるのです。そこで役立つのが、モジュール式、あるいは「コンポーザブル」なMESの構成です。単一の画一的なシステムではなく、チームは、異常の検知、作業指示書の作成、あるいは修理時間が目標時間を超過した際の技術者への通知など、まさに必要な機能だけを備えた小規模なツールを構築することができます。

このような体制下では、信頼性指標はもはや事後報告の道具ではなくなります。それらはワークフローの一部となるのです。これらの数値は、その場での意思決定――つまり、何を優先して修正すべきか、何を注視すべきか、何を早期に交換すべきか――の指針となります。また、人々の働き方も変わります。オペレーター、プランナー、保守担当者が同じ情報を共有し、同じトリガーに基づいて対応するようになるのです。誰もが問題の発生を予見し、事後対応するのではなく、先手を打つことができるため、プラントの稼働はより予測可能になります。


デジタルソリューションによるインシデント指標の自動管理

インシデント指標だけでは、障害がどのように発生したかの全容を把握できない場合もありますが、運用部門が生産をどの程度最適化できているかを示す最も重要なパフォーマンス指標です。理想としては、運用担当者は時間をかけてインシデント指標の平均時間を短縮するよう努めるべきです。

その方法の一つとして、Tulipのようなデジタルソリューションを活用して、インシデント関連の指標を自動化することが挙げられます。

Tulip 、生産工程において現場担当者、機械、工具からデータをTulip 、MTBF、MTTF、MTTRなどのインシデント指標を正確に把握することができます。 IoT 接続して資産の停止状況を追跡することも、オペレーターTulip を通じて資産の故障情報を直接入力することも可能です。こうしたデータを活用し、Tulipリアルタイム分析ツールを使用することで、継続的な改善活動が長期的にどのような効果をもたらしているかを分析することができます。

生産状況の可視性を高めるために、分析機能をアプリに組み込み、インシデント指標の経時的な推移を示すダッシュボードを作成し、シフトやラインごとの改善状況を監視することも可能です。

主なポイント

MTBF、MTTF、MTTRは、単なるダッシュボード上の数値ではありません。これらは、信頼性やダウンタイムに対する理解を深め、工場の実際の稼働状況を把握する上で重要な指標となります。これらを一貫して追跡し、リアルタイムシステムと連携させることで、何が正常に機能しているか、何が摩耗しているか、そして復旧が遅れている箇所がどこかを明らかにすることができます。

MTBFは、故障がどのくらいの頻度で発生するかを示します。
MTTRは、復旧までに要する時間を示します。
MTTFは、修理不可能な部品に関する計画立案に役立ちます。

価値はデータを収集することから生まれるのではなく、活用することから生まれるのです。現場のチームが指標をリアルタイムで確認でき、目標が実際の状況を反映し、業務の変化に応じてシステムが自動的に調整されるようになれば、誰もが目に見えて測定できる形で信頼性が向上します。

よくある質問
  • MTBFは予知保全に対応できますか?

    可能です。MTBFをリアルタイムで追跡すれば、傾向の変化から、どの資産が予想以上に早く劣化しているかが分かります。これに振動や温度に関するセンサーデータを組み合わせれば、完全に故障する前に、どこを点検すべきかが把握できます。

  • 平均MTTRと最悪ケースのMTTRの違いは何ですか?

    平均MTTRは、通常、修復にどれくらいの時間がかかるかを示します。最悪ケースのMTTRは、そのバッチの中で最も長い値を示す外れ値です。この両方を確認することで、ごく一部の極端なケースが平均値を歪めているのか、あるいは負荷がかかった際にプロセスの速度が低下しているのかを見極めることができます。

  • これらの指標は、手作業や自動化の度合いが低い業務において重要なのでしょうか?

    はい。工具の耐用年数や、作業員が修理のために作業を中断する頻度については、引き続き把握することができます。重要なのは、「故障」の定義を統一し、毎回同じ方法で記録することです。

  • 計画的なメンテナンスはMTBFに含めるべきでしょうか?

    いいえ。計画的な停止は障害にはカウントされません。これらを区別して管理してください。ただし、予想以上に頻繁に発生している場合は注意が必要です。それは、他の場所で信頼性の問題が徐々に生じている可能性を示唆しているかもしれません。

  • この追跡作業を自動化するのに役立つものは何ですか?

    IIoT 機械から直接ダウンタイムデータを取得し、MTBFやMTTRを算出するとともに、閾値に達した際にアラートを送信することができます。これにより、手作業によるデータ入力が不要になり、メンテナンスチームは問題が発生している最中に、即座に対応できるデータを得ることができます。

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